「自分の経験や専門知識を本にしたい。でも、文章を書く時間がない」「本一冊分の原稿を、どう組み立てればよいか分からない」。そんなときに、著者に代わって書籍原稿をつくるのがブックライターです。
ブックライターに依頼する場合、著者自身が原稿を書く必要はありません。インタビューで考えや経験を話し、完成した構成と原稿を確認することで、本づくりを進められます。
この記事では、ブックライターの仕事内容、ゴーストライターとの違い、依頼後の流れ、費用と納期の目安を、実際に書籍原稿を制作している編集プロダクションの立場から解説します。
ブックライターとは
ブックライターとは、著者への取材や提供された資料をもとに、書籍の構成を考え、原稿を執筆するライターです。単に話した内容を文字に起こすのではなく、読者が理解しやすい順番に情報を整理し、一冊を通して読み進められる文章に整えます。
完成する本の著者は、依頼者です。ブックライターが自分の主張を加えたり、内容を勝手に創作したりするのではありません。著者が伝えたい考え、経験、知識、エピソードを丁寧に聞き取り、著者の言葉による本を、代理で執筆する仕事です。
編集者やWebライターとの違い
編集者は、企画、構成、原稿整理、進行管理など、本づくり全体を整える役割を担います。すでに原稿がある場合は、その内容を読者に伝わる形へ編集します。
一方、ブックライターは、インタビューや資料をもとに一冊分の原稿そのものを執筆します。実際の制作現場では、構成を考えながら執筆するため、編集者のような視点も必要です。
Webライターとの大きな違いは、扱う文章の長さと構成です。書籍では、章ごとの役割や話の流れ、用語や表記の統一まで考えながら、数万字にわたる内容を一冊としてまとめます。
ブックライターに依頼できること
依頼先によって対応範囲は異なりますが、Edit Room:Hでは、主に次の工程をお手伝いしています。
- 本にしたいテーマや目的のヒアリング
- 著者へのインタビュー
- 取材音源、メモ、資料の整理
- 本全体の構成と目次の作成
- 一冊分の原稿執筆
- 著者の確認内容を反映した修正
依頼前に、完成した企画書や目次、きれいな文章を用意する必要はありません。「誰に何を伝えたいか」「どのような経験を本に残したいか」がまだ漠然としていても、質問を重ねながら整理していくことができます。
ブックライターとゴーストライターの違い
ブックライターとゴーストライターは、どちらも著者に代わって原稿を執筆します。呼び方や役割の定義は依頼先によって異なりますが、Edit Room:Hでは、原稿を担当したライター名を本に表示するかどうかを違いとしています。
| 項目 | ブックライター | ゴーストライター |
|---|---|---|
| 本の著者 | 依頼者 | 依頼者 |
| 原稿のもとになる内容 | 依頼者の考え・経験・知識 | 依頼者の考え・経験・知識 |
| 取材・構成・執筆 | ライターが担当 | ライターが担当 |
| ライター名 | 奥付などに表示 | 表示しない |
| 料金 | 同じ | 同じ |
ブックライターの場合は、奥付などに「構成」「執筆協力」といった形で担当者名を表示します。ゴーストライターの場合はライター名を表示せず、依頼者名義の本として発表します。どちらを選んでも、著者が依頼者であること、依頼者の言葉をもとに原稿をつくることは変わりません。
ブックライターへの依頼が向いている人
- 本にしたい経験や専門知識はあるが、文章を書く時間がない
- 何から書けばよいか分からず、原稿が進まない
- 話すことはできるが、文章にまとめるのが苦手
- 読者に伝わる構成や目次をプロに考えてほしい
- 途中まで書いた原稿を、一冊としてまとめ直したい
とくに、経営者や専門家など、伝えたい内容は豊富にあっても執筆時間を確保しにくい方には適しています。話す順番がまとまっていなくても、ブックライターが質問しながら必要な情報を引き出します。
依頼者がすることは、話すことと確認すること
「ライターに頼むとしても、結局は自分で下書きを用意しなければならないのでは」と思われるかもしれません。しかし、原稿を一文字も書いていない段階から依頼できます。
依頼者にお願いするのは、主に次の3つです。
- 本にしたいことを話す
伝えたいテーマ、経験、想定する読者などを、普段の言葉でお聞かせください。 - インタビューに答える
ブックライターから質問し、具体的な事実やエピソードを確認します。 - 構成と原稿を確認する
事実の間違い、言い回しの違和感、追加したい内容を伝えていただきます。
話すのが得意である必要もありません。うまくまとめようとせず、思い出したことや考えていることをそのまま話していただければ、こちらで整理します。
相談から初稿完成までの流れ
1.お問い合わせ・初回ヒアリング
本にしたいテーマ、読者、希望する分量や時期など、現時点で分かっている範囲を伺います。内容が固まっていなくても問題ありません。
2.お見積もりとスケジュールの確認
想定文字数、取材回数、資料量、調査の必要性、納期をもとに、作業範囲と料金をご提案します。
3.取材・インタビュー
テーマごとにお話を伺います。必要に応じて複数回に分け、執筆中に追加の質問をすることもあります。オンライン取材にも対応しています。
4.構成案・目次の作成
取材内容を読者が理解しやすい順番に並べ、章立てと目次を作成します。方向性をご確認いただいたうえで、本文の執筆へ進みます。
5.原稿執筆
著者の考えや語り口を大切にしながら、一冊の本として読みやすい文章に整えます。
6.内容確認・修正
完成した初稿を著者に確認していただきます。事実関係や表現、追加したい内容を反映し、原稿を仕上げます。
ブックライターの費用
費用は、文字数、取材回数、資料量、追加調査の有無、納期などによって変わります。
Edit Room:Hでは、内容にもよりますが、一般的な四六判・200ページ以下のビジネス書であれば、30万〜50万円程度になることが多いです。ブックライターとゴーストライターは作業内容が同じため、料金も同じです。
依頼先を比較するときは、金額だけでなく、取材、構成、執筆、確認後の修正のうち、どこまでが料金に含まれるかも確認しましょう。
初稿完成までの期間
Edit Room:Hでは、文字中心の四六判・200ページ以下のビジネス書の場合、取材と執筆に必要な資料がすべてそろってから、1か月以内の初稿提出を目安としています。
ただし、本の分量、取材回数、資料量、確認にかかる期間、修正量によってスケジュールは変わります。出版希望時期が決まっている場合は、最初の相談時に伝えておくと安心です。
ブックライターとゴーストライター、どちらを選べばよい?
制作体制を明らかにしたい場合や、執筆担当者を奥付に記載したい場合はブックライター、ライター名を表示せず著者名義だけで発表したい場合はゴーストライターを選びます。
どちらにするか決められない場合は、相談時点で確定していなくても構いません。出版方法や本の目的を確認しながら決めることができます。
書籍の執筆を依頼したい方へ
Edit Room:Hでは、ビジネス書を中心に、ブックライター・ゴーストライターとして数多くの書籍原稿を執筆しています。ゴーストライティングの性質上、書名や著者名を公開していませんが、ご依頼の事実や取材内容を含め、秘密を守ることもサービスの一部だと考えています。
自分で原稿を書いていない段階や、企画がまだ漠然としている段階からご相談いただけます。対応内容、費用、納期については、ブックライター・ゴーストライターへのご依頼をご覧ください。